狼少年はいけない


 車を道路の端に寄せる時、単に駐車するとき、あまりにも安易にハザードランプを使う。 ハザードすなわち危急の時に、その危険を他の交通参加者に知らせるための装置のはずである。

 この種のものは、安易に使ってしまうと本当に危険なときにだれも、その危険を真に受けないことになってしまう。

 左の画像は ハザードランプを点灯して路地に駐車している乗用車。 日々目にする光景である。 皆無神経になっている。

 本当にやむを得ず緊急避難的に使うときに誰が信じてくれるのであろう。 狼少年の愚を国民的に行っている。

  ハザードランプを点灯してお昼寝中のタクシー。 この車はこの交差点から右折する車の妨害をする場所に駐車している。 交通量が少ない道路であるにせよ、もう少し前に止める気遣いがなぜないのであろう。 まして運転を職業とする人である。

 進路を譲ってもらったお礼の意味でハザードランプを点滅させるのが流行になっている。 これも本来の意味を消滅させるのに一役買っている。 本来はきびしく禁止されるべき行為である。


 これもそこかしこで見かける光景。 何の目的かは知らぬが 道路に赤色の回転灯が設置してある。 警告を発するためにはそのための標識がきちんと決めれれている。

 高速道路でもよく見かける。 緊急自動車だけに使用が許されている灯火をむやみに設置して、赤色回転灯の威厳を消滅させたのはまさに行政である。

 パトカーの存在と誤認させて運転者の注意を引こうというのが行政の考えであれば、安全というものに対する誤認もはなはだしい。

 見とおしの良い直線道路である。
ここにも狼少年がいる。 だれも気にもとめない。 意味があるとすれば、緊急自動車の優先標識としての権威を落とす意味しかない。

 なぜこのようなことが取り締まりの対象にならないのか、不思議である。

緊急の場合に緊急自動車の存在を目立たせるために決められた表示方法を、商売が有利になるように何の考えも無く使用する、そしてそれが放置される法制。

このガソリンスタンドには計3箇所(丸くハイライトしてある部分)にこのような回転灯が設置されていた。 うちひとつはご丁寧にも 赤 黄 緑 の三段重ね(中央)である。

私の観察では このような無節操な自己顕示をするガソリンスタンドには シェル と アポロ が断然多いようである。

これは商店、昼間なので画像では回転灯があまり目立って見えないが実際には結構目立っていた。

ここまでくると、笑止というか、その幼さに微笑ましさを感じてしまうほどである。 左端に緑と赤の回転灯、右端に赤。

日没後も点灯していれば、ほとんどちんどん屋状態。

 緊急を示す表示には絶対的な権威を付与しなければいけない。 その表示は、他のいかなるものにも使うことが許されてはいけない。 これほど単純で論理的なことすら考察できないのが行政なのであろうか?

 立法の精神・根拠 にまで考えを致して政を行うことは無くなったのであろうか?


 こんな場面まで発見。 宮城県である。
緊急車両が左から出てくる場面ではない。

偽のパトカーを道端に置いて、暗くなると赤灯を回転させている。 遠目にパトカーが居ると錯覚させて自動車の運転者を威嚇するということなのであろう。

 それで、交通事故を減らすことに寄与できるのであればたいそう良いことである。 まともな思考力のある人はそのような効果があるなどとは微塵も考えないであろう。

 この悪趣味、
景観を害し、本来緊急車両にのみ許されている灯火を点灯して本来の機能を台無しにすることに寄与しているだけである。

 またこんな風景を見かけた、今回は板に描いたパトロールカーである。 このときはまだ明るかったので上の赤色回転灯は点灯していなかったが、夜になると点灯するのであろう。

 これもよく見かける。
どう見ても緊急走行ではないのにパトロールカーが赤色回転灯を点灯して走行している。
朝の登校・通勤時間帯に交通整理の警察官を配置するマイクロバスも赤色の回転灯を点灯して走っている。

 聞くところによると、警察は「赤色の回転灯を積極的に点灯して交通安全を呼びかける」ことをしているのだそうだ。

 いつから赤色回転灯は交通安全推進の表示になったのであろうか? それに何らかの効果が期待できると思うのも不思議な発想である。

 下の画像、これもよく見かける光景。
事故処理車が事故現場に向かう時(と思われる)緊急走行はしない時であっても赤色回点灯を点灯している。 そして赤色回点灯を点灯しながら、赤信号では停止する。 これでは、赤色の回点灯に気付いても優先させる必要が無い と学習させる効果しかない。

 これらの行為は、緊急自動車の緊急性を忘れさせることに役立っている。

緊急車両であることを表示する赤色回転灯は本当に緊急の時にのみ使用するよう厳しく制限するべきである。

これほど単純な論理がないがしろにされていることは理解しがたい。

 
提 案:
ハザードランプの濫用はやめましょう。 行政がその気になっても、本来の役目が機能するようになるにはあまりにも長く"狼少年"を演じてきてしまったのです。 その名がしめすとおり、ハザードランプは危急のときに使用するものです。
せいぜい、渋滞の最後尾で点灯する程度まででしょう。 これも本当ならばブレーキランプを点滅させて後続車に知らせるのが筋だと考えます。

 画像・文章はより適切なものが採集できれば入れ替えます。

交通の安全について考える 目次ページへ