ADAC ドイツのJAF について


 JAFと全く異なると感じるのは、行政に対する批判精神。 こんな標識を出している、とか、こんな取締りをしている、など批判記事を写真入りで堂々と機関紙に載せる。

 独自のヘリコプターや飛行機まで持っていて、人命救助、怪我人の搬送などにも積極的に乗り出している。 会費を上乗せすることで、外国で事故死した場合の遺骸搬送まで補償する。

 車のテスト、修理工場のテスト、附属品のテストなど、JAFとは比較にならないほどの信頼感のある実験を公表している。
安全ベルトの有用性と、安全ベルトを装着していたがために死亡した例の比較検討などは説得力があった。 今日のドイツにおける安全意識のレベルはこのような報告に負うところが大きいと思われる。

 なお、修理工場のテスト(Werkstatt-Test) は定期的に行われる。 同じ故障、調整のくるいなどを設定した同型の車を何ヶ所かの修理工場に一般車を装って整備に出し、その結果を採点して公表している。 修理工場の名称、場所、外観の写真入りで機関紙に掲載される。 私などは、事実なのであるから公表されて当然と思うがさて日本では・ ・ ・

 この記事は手元にないが、友人に送付を依頼しているのでいずれこのページで一部をお見せできると思う。


 ついでに、ドイツのバイク専門誌 "Motorrad" にも修理工場のテスト(Werkstatt-Test)が定期的に掲載されている。
もちろん、こちらは2輪車整備工場のテストである。 ここでも各修理工場の成果が採点されて公表されている。
Mtorrad誌の Archiv(過去のページ)から"Freie Suche"(検索)をクリックして "Werkstatt-Test" と入力してみると1995年から17回のテストの結果が公表されている。 費用との比較も附属している。

「ただただすばらしい!」  という標題が付いた満点の整備工場も公表されている。
「信頼に値しない」  とはっきりと書かれてしまっている整備工場も公表されている。

ここには整備工場の名称と所在地のみでと写真は載っていない。 誌面には写真まで掲載されている。

 日本の雑誌ではこのような例は見たことがない。 しかし、医療機間や、整備工場など直接安全にかかわる種類のものはどんどん事実を公表する姿勢が必要なのではないであろうか。 変な平等主義やプライバシー保護(仕事をしている以上その結果にプライバシーがあるのであろうか?)、営業妨害(それならばおざなりな整備は人命を危険にさらすことと比較するべき)などと言う議論が出てくるのが日本の常である。 そろそろ本質的なところを突くようになって欲しいものである。


その他 ドイツ事情



アウトバーンの駐車場での画像である。 日本のように売店や案内所は無いがゆったりとしている。 もちろん大きなサービスエリアもあるがこのような小さな休息場所がたくさんある。
 このような駐車場の中でもガイドレールの端は地中に埋め込まれており、ガイドレールへの衝突の衝撃を減らすようになっている。
アウトバーンのガードレールの全ての柱には小さな矢印が付いている。それは最短の非常電話の方向を示している。


アウトバーンの駐車場で見かけた廃棄物分類の指示票。